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☆使用したことのあるワンちゃん
シニア犬や整形学的・神経学的所見のあるワンちゃん50頭以上
Q1姿勢サポートクッションを
使っているのはどんなワン
ちゃんですか?

三橋:比較的長寿の犬種である柴犬やミックス犬が多いです。最近ではアメリカンコッカーの16歳のジョンくんが使っています。ジョンくんは、かかりつけ病院として通ってくれているワンちゃんで、先月当院が主催する「シニア教室」に飼い主さんとともに参加。年齢とともに足腰が弱くなっており、また覇気もなくなってきて、自分では立てない状態になっていたので、試しに姿勢サポートクッションに乗せてみたんです。すると、それまでずっと寝ていたのに、乗せた瞬間から「あれ?立ってる?」と不思議そうに、少し嬉しそうな顔をしてリラックスしてくれたんです。その姿を見た飼い主さんのご家族が、涙を流しそうになるほど喜んで、これは絶対に欲しいとご自宅用に即決で注文されました。

Q2姿勢サポートクッションの
利点を教えてください。

院長:サポートクッションそのものに関しては、まず組み立てやすいことと、汚れてもすぐに拭けることですね。しかも軽いので使う場所を選びません。家で面倒を見る機会の多い女性にもやさしいと思います。ワンちゃんに対しては、姿勢が保てることで筋力の維持ができることです。シニアになると普段の生活をしていても筋肉が衰えてしまいます。サポートクッションを使うことで、誤嚥などの事故を防ぐことにも効果的だと思います。また、年齢を重ね、さらに寝たきりなどで、動けなくなることで神経反射が薄れてしまうことも多いですが、立たせる事で神経反射を呼び起こすこともできます、そのためにはこの製品は効果的です。脳に刺激がいきますから。また、サポートクッションに乗ると、自分でも楽だというのがわかるからでしょうか、我々に対する信頼度も高くなって、次のステップのリハビリに移行できるなど、間接的なメリットも大きいと感じています。

三橋:看護師からの視点で言えば、誤嚥のリスクを劇的に減らしてくれるので、安心して介護ができるということです。これまでワンちゃんを抱えて、腰を屈めてお世話をしていましたので、スタッフの腰痛予防にもなります。両手が使えるというのは最大のメリットだと思います。また、今までであれば口の中が見えない状態で給餌していましたが、真正面から見ながらできるので安全ですし、口の中の異常にも気付きやすくなります。たとえば給餌補助を続けていると、同じ場所に毎回器具があたって血が出てしまうことがあるのですが、そういう状況を早い段階で気づいて予防できます。

院長:看護師が動物と向き合う時に、表情も体の様子もよくわかります。体のこわばりがあるとか、どこかを痛めているとそこを庇うように体がどちらかに傾くのですが、それを見つけてマッサージをすることもできます。そうするとワンちゃんの表情も変わりますし、看護師ももっとやってあげたくなるんですよね。

三橋:病院は、ワンちゃんにとっては嫌なことをされることが多い場所です。中には先生の顔を見ると逃げ出すワンちゃんもいますから。そんな中でもワンちゃんが喜んでくれるツールが一つでもあることで、スタッフたちのモチベーションにもなっています。

Q3飼い主さんにとっての利点は?

三橋:ワンちゃんが寝た状態で、すべてのお世話をするのは難しいですし、床ずれができていると尚更大変です。それを立たせてできるという物は他にないので、迷わず購入される方が多いですね。また、飼い主さんからは、ワンちゃんの表情が明るくなったという意見が圧倒的に多いです。立てること自体がワンちゃんにとっては嬉しいことです。それに付随して便通がよくなったり食欲が出たり、いいことはたくさんあります。何よりワンちゃんの気分がよくなるので、ワンちゃんが笑顔になるんです。そうすると飼い主さんも嬉しくなりますから、精神的にも余裕が生まれて笑顔になっていいサイクルが生まれます。
ワンちゃんによっては、サポートクッションの微調整が必要になることもあります。特にプードルは足の長さが個々でバラバラなので、足の長いプードルなら、お腹の下にタオルを入れて、逆にちょっと足が届かないかなという時には足の下にタオルを入れるなどしています。それもこちらがワンちゃんを預かってやるのではなく、飼い主さんと一緒に工夫しながら調整しています。飼い主さんが自宅でもうまく使えそうと思ってもらえることが大事ですから。そのためにも全サイズのサポートクッションを用意しています。

Q4姿勢サポートクッションを
使い始める最適な時期は?

三橋:ワンちゃんの体調やキャラクターに大きく左右されると思います。認知機能低下の進行レベルなどによっては、サポートクッションの上でじっとしていられないワンちゃんもいます。立てるなら歩きたいと動き出すワンちゃんもいます。もし歩きたくてじっとしていられないなら、歩行器など歩くための補助具を使ってあげた方がいいと思います。立った状態で落ち着いて過ごせるワンちゃんには、サポートクッションは早いうちから使えると思いますし、自力で立つことができなくなってしまったワンちゃんであれば、立たせてあげるためにも1日も早く使ってあげるといいと思います。さらに、「もうこの子にしてあげられることが何もない」と思っていても、サポートクッションを使うことでたくさんのメリットがあります。いずれにしても、飼い主さんには、いずれ訪れる看取りまでの間に、何を一番の目標にするかを尋ねています。あえて手を加えずに自然のままにと言う方もいますし、この子が一日でも長く歩けることを一番にという方や自分で立てる時間を作ってあげたいという方も。その目標に合った製品を使うことが大事だと伝えています。その中でワンちゃんを立たせてあげたいというなら、サポートクッションはその願いを叶えてあげることができるものです。

Q5シニア犬を介護している飼い主
さんへのメッセージをお願いします。

三橋:私たちが望んでいることは、飼い主さんが後悔しないことです。介護製品に関心がある飼い主さんは、介護に対して一生懸命になりすぎてしまっていることが多いんです。日常の中で介護の質にこだわりすぎてしまって、いつの間にか飼い主さんの笑顔がなくなり、ワンちゃんとのコミュニケーションも減ってしまっています。いい介護をしていても飼い主さんの笑顔や声かけがなくなってしまうことは、ワンちゃんにとってはとても寂しいことなので、「仲良く楽しく笑顔で」が大事なんです。介護をしている飼い主さんは、意外とワンちゃんの顔を正面から見ることがなくなっています。初めてサポートクッションに乗せた時、多くの飼い主さんが「すごくかわいい!」と言うんです。この言葉がワンちゃんには一番嬉しい言葉です。気持ちはちゃんと伝わりますから。横たわっている状態を毎日見ていると、まずかわいそう、という思いが先に立ってしまいます。しかし四つ足で立っている状態で正面から顔を見ると、かわいい!という見方に変わるんです。そういう意味でもお互いに寄り添い、前向きになれるツールじゃないかと思います。

お話を伺った方

  • 院長/布川康司先生
    軟部外科や整形外科などの外科領域を得意とする。リハビリテーション科を設け、身体づくりのサポートにも力を入れている。スタッフの要望を積極的に採り入れ、チーム医療を重視する。
  • 動物看護師 総看護師長/三橋有紗さん
    幼い頃より動物看護師を目指す。シニア犬が大好きで、シニア教室を立ち上げる。シニア犬を中心に、リハビリテーションも担当。介護に悩む飼い主のために、ラジオをはじめ様々なメディアにも出演し、相談にものっている。

Location

ぬのかわ犬猫病院

犬猫専門の動物病院。予防から外科手術、リハビリまで総合的な動物医療を提供している。専用のリハビリルームを設け、そこで2015年より月に1回、飼い主とともに参加する「シニア教室」を開催。1回3時間で、シニア期の家での過ごし方やマッサージの方法などを教えている。また飼い主同士の情報交換の場としても人気が高く、これまでに150組以上参加している。最近では院内のみならず、役所からの依頼を受けての外部でのセミナーも行っている。

住所:
神奈川県横浜市戸塚区下倉田町273
TEL:
045-861-5111
https://www.nk-inuneko.com

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