戻る
Q1今回、姿勢サポートクッションを使っているのはどんなワンちゃんですか?

病院で飼っているトイプードルです。17歳ぐらいの高齢犬で、若い時は、輸血が必要な時に血液を提供してくれるワンちゃんでした。その役目も終えて、今はのんびり過ごしています。2019年の春あたりから寝たきりになり、自分でご飯が食べにくい状態に。今はスタッフが順番にご飯をあげています。

犬も猫も高齢化が進んでおり、最近は飼い主様からの、高齢犬のケアに関する問い合わせが増えています。病気の治療であれば、獣医に任せることになりますが、日頃のお世話に関しては、私たち看護師への相談が多くなります。私たちも実際にワンちゃんをお世話することで、多くの事を学んでおります。

Q2姿勢サポートクッションを使い始めた時のワンちゃんの反応は?

姿勢サポートクッションを使い始めてから3カ月ほどになります。もともと自分で立てない寝たきりの状態でしたが、「立ちたい!」という気持ちはあるようで、横に寝かせていても足をジタバタさせて落ち着きがありませんでした。最初にこの姿勢サポートクッションに乗せてみたところ、びっくりして逃げようとしましたが、支えながら立たせると、しっくりときたのか、動きが止まってじっと乗っているようになりました。気持ちも落ち着いたのかもしれません。

今ではこのクッションに乗せてご飯をあげていますので、ここに乗るとご飯が食べられるというのがわかり、嬉しそうにしています。また高齢で体温調節が苦手になっているので、クッションの上に毛布を敷いたりすると、ベッド代わりにもなり、居心地が良いのか居眠りをするほどリラックスしています。

Q3姿勢サポートクッションを使ってから、ワンちゃんの体に変化はありますか?

確実に筋力がアップしています。ご飯の時の他、体調のいい時を見計って、1日に何度か乗せて、「自分の足で立つ」ということを大切にしています。高齢に加えて、バランス感覚を失う疾患も持っており、常に体が傾いてしまうのですが、今ではクッションの上に乗せても倒れることなく、居心地よさそうにしています。体を支える筋力がついたからだと思います。

他のスタッフも実感していますが、クッションに乗れば乗るほど、筋肉がついてくるのだと思います。寝たきりだと、当然どんどん筋力は低下していきますし、床ずれにもなるなど、動かないことによる弊害は大きいですからね。何より、乗っている時は、自分でも「立っている」という姿勢に意識があるので、歩こうとします。寝たきりで足が動かないのに、自分から歩こうという気持ちになることは、とてもいいことだと思います。

Q4介護する側にとっていいことはどんなことですか?

これまでは、ご飯のたびに看護師が抱えて食べさせていましたが、このクッションに乗せるとワンちゃんが自分で「立ち姿勢」を保ちながらご飯を食べてくれるので、私たちが両手を使えるようになりお世話がしやすくなりました。ワンちゃん自身が、自分で姿勢を維持することができるので、介護の手間がかなり軽減されます。

高齢犬介護は毎日のことですから、飼い主様に疲れが出てきてしまうと、そのままワンちゃんのケアの質の低下にもつながります。飼い主様のお世話が少しでも楽になって、その分、ケアに手をかけてあげられるようになれば、結果的にワンちゃんたちの生活の質が上がることになります。特に高齢のワンちゃんで痴呆が入っていると、横になっていると何か要求があるとすぐに鳴きますし、それが昼夜問わずとなると飼い主様も大変です。加えてご飯のために抱きかかえて、薬も飲ませて、となると…。毎日のことですからね。

Q5飼い主様に伝えたいことは?

まず、「立つ」ということがワンちゃんにとっていい、ということをもっと知ってほしいですね。寝たきりになってしまうと、床ずれができないように工夫されている方が多いようです。飼い主様は、寝たきりになってしまうと、寝たままでご飯をあげることが当たり前になってしまい、伏せの状態でご飯を食べさせることを諦めてしまいます。寝たままの状態でご飯を食べると、当然誤嚥のリスクが高まります。なるべく起きた状態でご飯を食べることは、ワンちゃんにとってもメリットがあります。

また、高齢になると、嚥下の機能が衰えているワンちゃんが多くなります。立たせた状態で、重力に逆らわない形でご飯を飲み込むことが最適です。私たちがケアをする時は必ず立たせて、頭を支えてご飯をあげています。

ただ、この状態をキープするのは、飼い主様には難しいと思います。
最近ハーネスタイプのものもありますが、ワンちゃんによっては、縛られて吊り上げられることを嫌がることもあります。やはり自分の足で立っている方が機嫌がいいんです。ワンちゃん自身が、自分でしっかりと立って歩こうとする、という前向きな気持ちが大事なんでしょうね。姿勢サポートクッションを使うことで、体はもちろんですが、自分で立つという気持ちも支えてあげていると思います。

お話を伺った看護師福本咲綺さん
ワールド動物病院で勤務して7年目。幼い頃から実家で犬を飼っており、動物病院には小さい頃から行く機会が多かった。そこで出会ったスタッフに憧れ、動物関係の仕事につきたいと看護師を目指す。現在も、実家でポメラニアンとシュナウザーを飼っている。

Location

ワールド動物病院

犬、猫、ウサギ、フェレット、ハムスター、小鳥など動物を対象に、整形外科、歯科、口腔外科、骨髄外科、眼科、皮膚科など幅広い診療科目で、ペットの健康をサポートしています。2019年12月には介護ペットの専門病棟を新築し、増えている高齢犬や猫の介護に特化した、全国でも珍しい理想的な介護環境を整えている。

住所:
大阪府高石市西取石1-9-9
電話:
072-264-2250
院長:
神前卓司

今回使用した商品

姿勢サポートクッション病院・施設用

商品の詳細はこちら
一覧へ