「正面から見つめ合う」それだけで介護生活に笑顔が生まれる

動物看護師 三橋有紗

ぬのかわ犬猫病院

犬猫専門の動物病院。予防から外科手術、リハビリまで総合的な動物医療を提供している。専用のリハビリルームを設け、そこで2015年より月に1回、飼い主とともに参加する「シニア教室」を開催。1回3時間で、シニア期の家での過ごし方やマッサージの方法などを教えている。また飼い主同士の情報交換の場としても人気が高く、これまでに150組以上参加している。最近では院内のみならず、役所からの依頼を受けての外部でのセミナーも行っている。

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「正面から見つめ合う」それだけで介護生活に笑顔が生まれる

シニア期のわんちゃんは、徐々に自力での立ち上がりや立ち続ける事が困難になります。どんな動物においても訪れる当然の老化現象ですが、多くの子がその変化に少なからずストレスを感じているように見受けられます。うまく立っていられず不満げな声を上げたり、立ちあがろうともがき続けて手足から出血したり、ときには熱中症になってしまうこともあります。その姿に、ご家族は“無力感”だけでなく、介護生活への“疲弊感”を感じることも当然で、介護生活において最も重要な「ご家族の心身の健康」にも影響します。この状況は「ご家族の(生活リズム、精神力、体力のすべてを担保にした)努力」だけで立ち向かうことは非常に困難で、我々医療従事者でも解決に導くことが難しい大きな課題でした。

そんな中、2017年に大きな革命となったのが「姿勢サポートクッション」の登場です。わんちゃん達の「立ちたい」、そしてご家族の「立たせてあげたい」を、ついに簡単に叶えられるようになりました。

「立つ」ことのメリット

自力で立つ、または立っていることが困難になってきたわんちゃんにとって、クッションで立つことで期待できるメリットはたくさんあります。

わんちゃんの健康面

・気分転換
・褥瘡(床ずれ)の予防
・皮膚炎の予防
・飲み込みやすい(誤嚥の予防)
・足腰のリハビリテーション
・怪我(転倒等)の予防
・排泄のサポート(胃腸の動きの改善)
・睡眠のサポート(夜間寝るようになる、立ったまま熟睡するなど)

ご家族のサポート

・腰痛予防
・食事中の口の動きや口の中を正面から見ることができる
・排泄物による身体の汚染予防
・両手を離してお世話が可能になる
・お手入れやケアがしやすくなる
・自分の時間を作れるようになる

そして、最大のメリットは「正面から見つめ合うことができる」ことだと感じています。わんちゃんをクッションに乗せた瞬間、ほとんどの飼い主さんが「かわいい!」と声を上げます。ハイシニアのわんちゃんと過ごしていると、姿勢の変化やコミュニケーション能力の低下から、正面から見つめ合う機会がぐっと減ってしまい、いつの間にか「見つめ合う」「かわいいと伝える」という最も大切なコミュニケーションが無くなっていた事に気付かされます。
わんちゃんも、立てた爽快感、そしてご家族の温かい雰囲気に、表情が和らぐ子がとても多いんです。

おすすめの選び方

今は、姿勢サポートクッションとリラクッションの2種類があり、「うちの子にはどちらが良い?」というご相談が多いので、私流の使い分けをご紹介します。

私が判断のポイントとしているのは ⑴安定性 ⑵使用頻度/期間 の2つです。

⑴安定性では、型崩れがない姿勢サポートクッションと、沈み込むリラクッションそれぞれの良さがあります。
例えば、「首や体が曲がってしまう子」や「自力では全く動けない子」の場合は、沈み込まない姿勢サポートクッションの方が安定性は高くなります。一方で、体が大きく揺れ動く子は、沈み込むリラクッションの方が安定することもあります。
また、「肩幅や足の幅が狭い子」や「関節が緩く左右に開きやすい子」は、リラクッションの場合身体の重みでビーズがやや膨らみ外側へ広がりやすくなるので、姿勢サポートクッション、もしくは、幅が狭い設計となっている「リラクッションのトイプードルサイズ」がオススメです。

⑵使用頻度/期間では、「この製品をどれだけ使う可能性があるか」ということです。
例えば、「一日のほとんどをクッションで過ごす」場合や、「シニア期の早い段階から使う、もしくは同じ体格の多頭飼いで、年単位での使用が見込まれる」場合は、型崩れしない姿勢サポートクッションがおすすめです。また、口回りや排泄物の汚れ対策の面では、姿勢サポートクッションは拭き取り(消毒)が簡単です。リラクッションの場合は、専用のカバーを使用して常に衛生的に保ってあげましょう。

最後にプラスワンポイントとして⑶本人の好みも聞いてみてください。実際の乗り心地が大切です。サイズ選びも兼ねて、試乗できる場所を探して、ぜひ本人の感想(表情)も伺ってみてください。

シニアさんはとても愛らしく、かけがえのない存在です。ですが現実として、介護は気力・体力・時間を必要とする大仕事です。ご家族の心身の健康は、わんちゃんの生活の質にも直結します。
愛するわんちゃんと、少しでも快適に、そして「笑顔で・仲良く・楽しく」過ごせるように、便利な物を適宜使う、病院や周りの人を頼る、そのこともどうか忘れないでくださいね。

お話を伺った方

動物看護師 三橋有紗さん

幼い頃より動物看護師を目指す。シニア犬が大好きで、シニア教室を立ち上げる。シニア犬を中心に、リハビリテーションも担当。介護に悩む飼い主のために、ラジオをはじめ様々なメディアにも出演し、相談にものっている。

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