アロン化成のエラストマーは加硫ゴム等に替わる次世代のスタンダードマテリアルとして、あらゆる顧客ニーズに対応可能な高い配合技術及び混錬技術により生み出された高機能製品であり、食品、医療、雑貨、日用品、家電、自動車関連、玩具など非常に幅広い分野に採用いただいております。
緑が生い茂った森の「グリーン」、澄んだ空の「ブルー」、これら美しい自然環境「ネイチャー」を大切に守り続けたい。この想いを実現させていくために、アロン化成のエコマテリアル事業の総合ブランドとして「グリネーブル」は誕生しました。
「グリネーブル」はお客様のカーボンニュートラルへの取り組みを支援していきます。
※「グリネーブル」「GRiNABLE」はアロン化成株式会社の登録商標です。 登録商標 登録第6706841号 / 登録第 6706842 号 / 登録第 6839788 号
熱可塑性エラストマーは、ゴムに近い弾性を持ちながら、汎用プラスチック並みの容易さで成形できる素材です。
用途に合わせて多くのシリーズから選択ができ、成形工程も短くて済むため、架橋ゴムに替わる素材として大きな期待を集めています。
リサイクルも可能なことから、コスト的なアドバンテージのみならず環境保全の視点からも注目の次世代成形材料です。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリスチレン部分(ハードセグメント)と柔らかい性質を与えるポリエチレン・ポリブチレンの部分(ソフトセグメント)をブロック状に共重合させた基本単位構造をもちます(図1)。これらは、SEBSと表されます。
ポリスチレンの末端ブロックとポリブタジエンまたはポリエチレン・ポリブチレンの中間ブロックは化学的に結合されていますが、室温では熱力学的に相溶しません。そのため、ポリスチレンの末端ブロックは互いに凝集して極微小粒子(ドメイン)を形成し、均一に分散します(図2)。このポリスチレンのドメインは、物理架橋点となり架橋ゴムの架橋点に相当する役割を果たすため、SEBSは弾性体としての性質を示します。しかし、140~230℃の射出または押出成形可能な温度ではポリスチレン部分もポリエチレン・ポリブチレンの部分も共に溶融され、熱可塑性樹脂としての流動特性を示します。
『エラストマーAR』『アロストマー』は、これらSEBSをベースにし、衛生性・透明性・制振性など様々な機能を有したシリーズ展開をしています。
動的架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV:熱可塑性架橋型エラストマー)は、マトリックス(海相)である熱可塑性樹脂中に、架橋ゴム粒子がドメイン(島相)として細かく分散した海島構造を特徴とする多相系高分子材料です。
『アーバス』は、低比重・成形性・着色性に優れたVPシリーズをラインナップしています。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、芳香族ポリエステルのハードセグメントと、脂肪族ポリエーテルのソフトセグメントの共重合体です。
この重合体が綿の繊維のようにからまり合い、ゴム弾性と強度を出しています。
『エステラール』は、この重合体をベースにし、導電性・耐摩耗性・耐熱性など様々な機能を有したシリーズ展開をしています。
コスト |
耐熱性 |
耐候性 |
耐水性 |
耐アルカリ性 |
耐油性 |
衛生性 |
移行性 |
透明性 |
印刷・接着性 |
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高 |
スチレン系 (SEBS) |
△ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ○ | ○ | △ |
オレフィン系 | △ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | × | ○ | × | △ | |
ウレタン系 | × | △ | × | × | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
ポリエステル系 | × | ◎ | △ | △ | △ | ◎ | △ | ◎ | × | ◎ |
(注)◎:非常に優れている○:優れているまたは、一般的な条件で使用できる
△:やや劣るまたは、条件付きで使用できる×:劣っているまたは、ほとんど使用できない
熱可塑性エラストマ―(TPE) | 加硫ゴム | |
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重量 | ○:低比重(0.9)が可能 | ×:比重が高い |
衛生性 | ○:加硫剤の使用なく、溶出のリスクが低い | ×:加硫剤の溶出が懸念 |
環境への影響 | ○:リサイクル可能 | ×:リサイクル不可 |
着色性 | ○:簡易に多種の色に着色が可能 | ×:成分面で黒、白が多く色の自由性が少ない |
成形性・ 成形設備 |
○:成形サイクルが短く汎用の成形機で成形可能 | ×:加硫加工により成形サイクルが長い |
長期性能 | ×:未架橋のため過酷な環境下での耐久性が低い | ○:架橋により過酷な環境下での耐久性が優れている。 |
耐油性 | ×:分子構造上、オイルの影響を受けやすい | ○:多種のオイルへの耐性が高い(ゴム種による) |
耐熱性 (150℃以上) |
×:熱可塑性のため形状維持が困難 | ○:架橋により熱の影響を受けづらく、性能劣化が小さい |