No.12在宅での入浴介助のポイント
~心地よく入浴してもらい、介助者の負担も軽減する方法〜

入浴は、高齢者の心身の健康にとても大切

長かった梅雨が明けると、いよいよ本格的な夏の到来です。暑さにじっとりと汗ばんだ日は、お風呂に入ってスッキリしたいですよね。入浴には、身体を清潔に保つだけでなく、血行促進やリフレッシュ効果もあり、心身の健康のためにもとても大切な行動でもあります。

しかし、最近ではコロナ禍のなか介護施設で入浴ができなくなり、在宅で入浴するケースをよく耳にします。高齢者の入浴は転倒事故の危険があり、特にひとりで入浴できない高齢者が入浴する際には「入浴介助」が必要になります。ただでさえ、高齢者にとって入浴とは体に大きな負担がかかっています。体調を崩すことがないように、高齢者の体調を入念に確認し、スムーズな入浴介助を行えるよう日頃から心がけておくようにしてください。

今回は、在宅介護における安全安心な入浴介助のポイントをご紹介します。

「入浴前」の確認と準備

まず、ご本人に入浴することの意思を確認の上、「呼吸や表情に気になるところはないか」「血圧や体温に異常がないか」などバイタルチェックをしましょう。その際、もしご本人の体調が悪いときは入浴を見合わせてください。

バイタルチェックで問題や異常がなければ、衣服を脱いでもらいます。自立した生活を送っていただくためにも、なるべくご自身で着脱していただくことをおすすめします。衣服を脱ぐときは片足立ちになるなどフラフラしがちなので、転倒予防のためにしっかり身体を支えるか、手すりをつかむようにしてください。安定した椅子を使用するのもよいでしょう。

排泄は事前に済ませて、お風呂から上がったときの着替えの準備も忘れずにしておいてください。

「入浴中」の手順とポイント

高齢者が入室する前に、浴室の壁や椅子などにシャワーをかけて浴室を温めておきましょう。冬場ではヒートショックの予防として、浴室だけでなく脱衣室も事前に温めておくことが必要です。介助者の手でシャワーの温度を確かめた後で、高齢者の手や足で適温かどうか確認してもらいます。ちょうどよい温度であることを確認できたら、心臓から遠い足元からお湯をかけはじめ、徐々に全身へとかけていきます。その際、お湯に浸したタオルを肩にかけると、湯冷めの予防にもなりますのでおすすめです。

身体がお湯に馴染んできたら、髪→顔→身体の順に洗っていきます。この時も、できるところは高齢者本人に行っていただきます。とくに陰部などのデリケートな部分は、できるだけご自身で洗っていただきます。

洗い終わったらお風呂につかり、体を温めていただきます。
浴槽に出入りする際は、滑りやすいので十分に気を付けて動作をしてください。ご自身のできることに応じて、浴槽手すりやバスボードを選択するとよいでしょう。
あまり長くつかると脱水や水圧の影響もあり、疲れてしまうので、5分くらいの入浴で十分です。
浴槽から出たら脱衣室に出る前にタオルで体を軽く拭きましょう。

「入浴後」のフォローと確認

浴室から脱衣場に移ったらタオルで押さえるようにしてしっかりと水分を拭き取り、髪はドライヤーで手早く乾かします。血圧の変化でふらつく場合もあるため、安定したいすに座った状態で用意しておいた衣服に着替えていただきます。その時、皮膚の状態をさり気なく観察して必要に応じて保湿液などを塗布します。最後に入浴前と同じくバイタルチェックを行い、体調の変化がないか十分に様子を確認するようにしてください。

福祉用具を活用し、介助の負担軽減を

実は、入浴介助は介助する側にとっても肉体的な負担が大きく、苦労されるケースも少なくありません。浴室用の福祉用具を利用して、解除する側とされる側の双方にとって楽に入浴できる環境を整えておくことをおすすめいたします。介助の負担を軽くしてくれるだけでなく、高齢者にとっても安心して快適な入浴をすることができます。

温浴シャワーベンチ

高齢者の浴槽への出入りは、入浴介助のなかでも特に負担の大きい動作のひとつといえます。浴槽をまたぐ動作はバランスを崩しやすいため、しっかり高齢者を支えておかなければなりません。この負荷のために介助者自身が腰痛を患ってしまう原因になります。

そこで、浴槽へ入らなくてもシャワーベンチに座ったままで高齢者の身体をしっかり温めてくれる福祉用具「温浴シャワーベンチ」をご紹介しましょう。温浴ユニットより噴射されるシャワーが全身を包み込み、しっかり温めてくれます。ハンドシャワーで身体を当て続ける介助の負担もなくなります。また、工事不要で誰でも簡単に設置ができます。

これからの季節には、手軽に汗を流せるシャワー浴にもぴったりですね。

> 温浴シャワーベンチをもっと見る

バスボードはねあげくん

とはいえ、お風呂が大好きな方はじっくりと湯船に浸かりたいですよね。そのような方には、より安心して浴槽へのまたぎ動作を行える福祉用具「バスボードはねあげくん」をご紹介します。

バスボードとは浴槽への出入りの際、座った状態のままで浴槽をまたぐことにより転倒を予防する用具です。使い方は簡単。いったん高齢者をバスボードに座ってもらうことで、常に支え続ける必要がなく、介助の負担が軽減します。バスボードの座面部分が跳ね上がるので、介助入浴から自立入浴まで幅広い方の浴槽への出入りをサポートできます。

> バスボードはねあげくんをもっと見る

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